今別府 お疲れ様
クリニックには続々と新しい仲間が入ってきて、新年度はフレッシュな気持ちで診療にのぞんでいる。
新棟増築工事も具体化し、楽しみなことも多い。
そんな出会いの季節ではあるが、昨年度で退職したフロントチームの今別府さんが、東京を旅立つ前にクリニックに挨拶に来た。
新たな道への第一歩。 学生に戻って、新しい勉強をすることになった。
鹿児島の学校を卒業し、上京。当法人で社会人としての生活をスタートし、4年間でサブチーフまで上り詰めた。
発展途上のクリニックのシステムを現在の形に構築し、クリニックと共に大きくなっていった。
そして、事務職と接遇を行う表と裏の立場から、表舞台で働ける資格を取得するため新たなチャレンジを仕掛ける。 これも今別府らしい。果敢な挑戦。
上京時は、本当に地味な地方の女性で、女性職員からメイクの指導までされたほど何も知らない様子だった。
地方の方言が強く、自分のような上司には発言できなくなるほど気の小さい方だった。
20歳以上若い新卒の方を地方から預かったので、実家のご両親の気持ちを察し、自分の娘のような気持ちで大事に育てた。
一期生の長野が長女としたら、今別府は次女。
キャラクターも次女。
地方から職員を採用すると、色々な意味でネガティブに捉えられることがあるが、自分は違う。長野や今別府を育てて、考え方が真逆になった。
東京の人間が悪いとは言わないが、隠せることマスクできることが多く、逃げ道も知っている。 自分も含め、東京人は甘い...と感じることも多い。
地方の方はそれがない。少なくとも、クリニックで頑張っている地方出身者は退路を断った決意が強く、本当に強い。 東京人として恥ずかしくなることもある。 そして、学ぶことも多い。
今別府の話しに戻そう。
喜怒哀楽の表現が、外見や行動にわかりやすく出る。
人と接する時は、いつでも笑顔。いつも、嬉しくて楽しくて幸せなのか??と思えるほど笑顔。
いつでも笑っていて、その顔が人懐っこい。
悲しくて悔しくて辛い時には、涙をぽろぽろ流す。悲しみを誘う涙ではなくて、期待を感じる涙。 いじらしい涙。
涙を流しながら、奥歯で歯を食いしばっている。そして泣かないように耐えながら、結局泣いている。
覆面レスラーとは真逆で、顔の表情で気持ちがすぐに他人に伝わる純粋な方だった。
そんな今別府は、みんなの人気者だった。 上からも下からも、そして患者さんからも、みんなに好かれる、ベップちゃん。
法人が発展途上で、本当に苦労をかけた。それでも、地方から出てきた根性・退路を断って上京した強い決意で、最後の最後まで全力でよく頑張ってくれたと思う。
感謝の言葉しか見つからない。
今回の退職はお別れではなく、卒業。
でも、就職時とは反対に、今度は娘をお嫁に出すような寂しい気持ちでもある。
数年後、同じ医療人として別の形で患者さんの前に一緒に立ってみたいと思う。
今度は事務員ではなくて、自分の隣に立って一緒に診療にあたりたいと思う。
自分は死ぬまで武蔵村山の地に居るから、気が向いたら必ず来てください。お願い。
今別府が男で、同級生だったら、絶対に親友になりたかった...と思える程、いい奴だった。
だから、卒業した以上、上司・部下の関係を外して切磋琢磨していきたいと思う。
そして、最後の診療日には、強い握手で健闘を祈り、そして残った自分達も武蔵村山の地で頑張ることを誓った。
元気でな。ありがとうな。
頑張るんだぞ。