PANCRASEの試合

PANCRASE興行は、前述通り、舞台や全体の雰囲気は最高だったが、肝心の試合はどうだったか。
全体的に素晴らしい試合の連続だった。




自分自身、一本やKOを取りに行く積極的姿勢が観客を魅了すると思っていた時代もあった。
だが、スポーツMMAが定着してくると、いわゆる”ポイントゲーム”もそれはそれで理解できるようになった。
そんな試合が混ざった今回の興行だった。





岡見選手の凱旋試合には度肝を抜かれた。
前チャンピオンの鈴木選手相手に、格の違いを見せつける圧巻の一本勝利。

この強さでもいわゆる”UFCリリース組”。世界のトップの選手はいったいどうなっているのだろう。何者なのだろう...  とも思えるくらい、強かった。




これとは反対に、セミファイナルのタイトルマッチは戦略的な試合。これはこれで面白かった。いかにポイントを取って勝利をつかみ、戴冠するか。
そんな試合だった。

ペースメーカーにペースを作って走るマラソンランナーのようだった。
現代MMAの深みのある試合だった。

新チャンピオン・神酒君、おめでとう。



そういえば、5月のクリニック主催の西武ドームイベントに参加してくれたんだよね。何だか近くに思えて、嬉しかった。

中井りん選手も朱里選手も固く勝ち、パンクラスアテナも盛り上がってきた。


近藤有己・有己空選手は、完敗だった。
だが、故障明けの復帰戦。  通算戦績は59勝30敗!! 三試合に二試合は勝利しているのだ。凄い戦績だ。

怪我なく終われてそれだけでもよかった。

メインイベントの石渡選手は危なげない試合運びで完勝。


体重オーバーで失格の相手に、教科書通りの試合運びだった。

秒殺してさっさと終わらせるか、無傷で固く勝利するかしかないこの試合。


モラルの低下した相手との試合に怪我を負わされては困るし、もちろん、万が一...があったら大変なことになる。

無傷で勝利したこの試合展開で良かったと思う。
観てて何だかホッとした。

団体の顔としてしっかり興行を締めた。逃げも隠れもせず、やることをしっかりやって、淡々と自分の存在を相手と観衆に見せつけた。

次元が違うのだ。

そして、試合後の興奮時でも相手の事には全く触れず、眼中になし。
体重オーバーなんて関係ない。  どうだ。見たか!!


こんな無言のメッセージが伝わるような試合だった。

石渡君、おめでとう。



これで、星を落としているのは、UFCファイターの堀口恭司だけだ。

もう、タイミングの問題だけだ。  世界にはばたけ!!

他にもたくさんいい試合があったが、話しは宴席で(笑)!!


試合数も限られ、選手も自己アピールするため、精いっぱい戦っていた。

そんなことが伝わる好試合の連続だった。

肝心のドクター業務は今回も全うできたと思う。
課題は、当日の試合直後の医療体制だ。 またゆっくりチームで議論しよう。


次は9月。トクの防衛戦。

みなさん、お疲れ様でした。