PANCRASE興行-2

PANCRASE興行は、後半で現在の日本MMAの実力を見せられた。


煽りも、照明も、音響も、スモークも、ビデオクルーも...  何もかもが最近見ない最高のシチュエーションで、格闘技をやってる人ならば、一度は上がってみたいと思う舞台に見えた。



リトルリーグでの少年時代は、川崎球場は憧れなかったが、後楽園球場や東京ドームは憧れだった。
外科医局に入局した時は、外来診療に憧れはなかったが、いつの日か胃癌や膵癌、心臓弁膜症の手術の執刀は憧れだった。




そんな憧れの舞台・夢が持てるシチュエーションって、これから長い先々を考えると、業界にとっても非常に重要。   憧れや夢があって、そして何より、“好き”にならなければ伸びない。大成しない。


「好きこそ物の上手なれ」

である。


話しは長くなったが、今回のメイン・セミに出場した4人は格好良かった。
負けてしまったが、アキラ選手も児山選手も、懸けている気持ちが伝わった。



メインのグランプリ決勝戦を制した北岡悟選手は、圧巻だった。

北岡君は、PANCRASEの舞台に立つと、例外なく映える。
故郷だから...だろうか。異常なほどの躍動感を感じるのだ。 生き生きしている。そして、窮屈な感じがせず、伸び伸び楽しんで戦っている。

最近の北岡君の、”負けない勝ち方”も自分は大好きだ。
戦極時代をピークに確立した”秒殺・一本勝ち”ももちろん大好きだった。


だが、今回もその前のPANCRASEでの試合も、この二つが混ざった”北岡君の完成形”の勝ち方は、最高に格好良かった。


体の出来方はもちろん、佇まいや雰囲気が日本MMAの最高級の選手。誇らしい。

北岡君おめでとう。  


そして、セミファイナルに出た、徳留一樹選手。

UFC帰りで、日本MMAを知らないトクは、いったい国内でどんな位置にいるのだろうか?   と、勝手な心配をしていた自分。

万が一も考えた。



だが、今回のトクはそんな心配などいらなかった。


入場から、選手コール、そしてゴングが鳴るまで、集中した表情・目つきが違った。
集中力を感じ、よくある”仕留める眼”をしていた。

安心して見ていたが、案の定、1ラウンドKO勝ち。



リーチが長いだけでなく、伸びるストレート・伸びるロー... が素人目にも目につき、打撃技術の成長が目に見えて分かった。

一安心だが、まだまだふりだしに戻ってからの、たったの一歩だ。
目指す頂きはまだ見えてこないし、手に届くことなんてまだまだ先。

気を抜かず、もっともっと頑張って強くなれ。


トク。とりあえずはおめでとう!!



律儀なトクは、昨日、勝利の報告に来院。

久々のスカ勝ちで、こんな嬉しそうなトクの表情を見るのは初めてだった。

自分も、自分の事のように嬉しかった。  本当によくやった!!




こんな日曜日のPANCRASE興行。

お腹いっぱいになった。



自分も、いろんなことに忙しすぎるくらい忙しいが、これを幸せに感じ、毎日を精一杯、突き抜けよう。