PANCRASE興行

日曜日は朝から打ち合わせが入り、立川で昼まで過ごした。
そして、大慌てで、ディファ有明へ向かった。


というのも、PANCRASEはゲージ導入で、以前より早めに試合が始まり早めに終了する。自分にとっては、日曜日の夜を少しは自由に使えるようになり、とっても良い流れなのだ。

そして何より今回は、われらの”クリスMAN”が、第一試合で出場する。


まさに、

”絶対に観なければいけない戦いがそこにはある”

状態だ。

焦りながらの運転は、危なっかしかったが、余裕で間に合った。

敢えて、クリスMANには、試合前も試合後も会わなかった。
自分はPANCRASEのリングドクターだし、彼には自分の気持ちは十分伝わっていると確信しているからだ。


そして、クリニックからも10数人が応援に駆け付けてくれた。

自分にとっても嬉しかった。



今回のPANCRASEには、巨大入場ゲートが出現。
だんだん細かな工夫が出現し、興行の重み・メジャーの意識が高まっている。

クリスMANは、いつになく”激しく”入場。
以前は、”作ったキャラ”でぎこちなさも感じてはいたが、今回ばかりは完全な”クリス・ワールド”を完成し、披露。
にやけてしまうほど、ノリノリの入場だった。





試合は、予告・希望・宣言・誓い・公約...通り、得意の肩固めで一本勝ち!!



ゲージ初登場記念の”ゴールドパンツ”も映え、感動のスカ勝ちだった。

試合後の腰振りは、まるで、赤べこの模型のように振りまくっていた。実に100回以上か?


今回は、言葉はなく、嬉しかった。
クリニックでも、全力投球でど真ん中を引っ張るクリスMANの勝利は、自分の事のように嬉しかった。

クリス。本当によくやった!!  クリニックの誇りだ。


そして、チャンピオンの砂辺君は、骨折をしながらも横綱相撲。

パンクラスしか上がらない、生粋のパンクラシストの敵は見つからないのか。

砂辺君。おめでとう。

草MA選手Xも、堅く勝利。


今回の来院格闘家は全勝だった。

草君。怪我を乗り越えた勝利、おめでとう。






そして、メインイベントのタイトルマッチ。
久々に、大盛り上がりの異常な雰囲気のもとで行われた世紀の一戦だった。

安西選手が圧勝し、時代を動かした。


安西君の今回のタイトルマッチにかける意気込み・決意は、体の完成度にも表れていた。来院時の体の出来方が半端ではなかったので、今回の一戦は川村君でさえも苦労するとは思っていた。


悔し涙を流しながらファンに挨拶をしてゲージを下りる川村君を見て、真剣勝負の冷酷さを感じた。

パンクラスの前社長であり、現在のパンクラスの象徴である川村君が敗れたことは、さすがに現実として受け止めがたいものではあったが、これも勝負の世界の現実。
現在進行形の事実である。

スターだって、いつまでもスターではいられない。船木さんだって鈴木さんだって負けてから這い上がった。
胸を張って、この激闘を誇ればいいのだ。
そしてまた”亮ちゃんスマイル”で戻ってくればいいのだ。

泣くな。川村君らしく、また這い上がってこい。 

そんな気分だった。


そして、安西選手、おめでとう。


だが、試合直後のチャンピオン返上は、勢いとはいえ、寂しさを感じた。
ミドル級の歴史を、リングサイドで20年余り、何十試合も見てきた自分にとっては、その行動に悲しささえ覚えた。
パンクラスは自分にとってもプライドだからである。




でも、時代は流れているのである。だからこそ、新しい発想は必要なのだ。







試合後は、KEI山宮選手、石川英二選手と、格闘談義。
興業後の打ち上げは定着してきた。


頑張れ、選手達。そしてパンクラス