第二の人生

自分が勤務医だった時代に自分を頼ってきてくれた選手は数少ない。中でも、リングドクターと知らずに、偶然外来で出会って、そこから話しが盛り上がった選手は後にも先にも、この人しかいなかった。  キックボクサーのオノリュウ選手だ。

吉祥寺のジムで指導とトレーニングをし、プロ選手として全う。  ひざの故障で引退し、富山県に渡り、柔道整復師の学校に通っている。そして来春が国家試験。

忙しい最中、突然、東京まで来て、自分のクリニック見学に来てくれた。
そして、富山の医療や生活について多くを語って帰って行った。

貯金を崩して、ギリギリで三年間の学業・生活をつなぎ、普通の人より20年近く遅れて、修行。生活環境は相当厳しいようだ。
そんな状況で、日々一生懸命頑張っていることが、言葉の端々に感じ取れた。人間、崖っぷちになると強い。

自分にも、大変刺激になった。

応援しているので、格闘家の第二の人生も頑張ってください。

ちなみに東京までの交通手段は”青春18きっぷ”。自分も学生時代に使ったが、すべて普通電車しか乗れない条件には、苦労した。  ネットで、片道500円で買ったようだ。

恐れ入った。