ポケベル

外科医の習性から、未だに寝床に携帯電話を置いている。オンコールに備えている習慣。朝一番には着信の確認をする...。

24時間365日オンコール可であり、24時間365日が精一杯の外科医であれ!、という医局の教育。異常に見えるが、死ぬまでそれが当たり前で生きて行く。開業医になっても患者さんからはいつでも受け入れ可でやっている。それが、自分の生き方だ。

そんな自分の原点。いつも行動を共にし、失くしたいといつも思っていながら、失くなると大変に焦った”彼女よりも妻よりも兄弟よりも...何よりも傍にいた相棒”。ポケットベルが発見された。引っ越しの片付けで出てきた。
何か、楽しくて、懐かしくて、思い出がたくさん詰まっていて、ジーンときた。


2356は一外病棟で、2358は医局で、2656は外科別館で...未だに忘れない番号。泊り込んだレジデント生活。

でも、ポケベルは便利だった。着信歴が残らないから、居留守が使えた。
携帯電話にはない、不便だけど便利な機能。

でも、電話をかけてみたら、つながらなかった。当たり前のお別れでした。このポケベルを思い出に、また明日からも頑張ろう。