拡張工事が始まる

武蔵村山さいとうクリニックを開院して9年目。

リハビリが狭いので横に広げ、まだ狭いのでまた横に広げ、プライバシー保護ができる部屋がほしいのでVIPルームを作り、エステ部門をしっかりやりたいのでエステ部屋を作るために上に広げ、内視鏡室と手術室を移設し、検査室を独立させた。


それに伴って、職員の休憩室も端に端に追いやられ、法人本部も端に追いやられた。


そして、待合室もリハビリ室も点滴室も検査室も... 休憩室も法人本部も... みんなみんな狭くてとうとう限界が訪れた。



小さいジョッキにはたくさんのビールは注げない。小は大を兼ねない。

という、医療人としては嬉しい悩みをここ数年抱えていた。




入念に入念に計画し、ようやくこのたび、武蔵村山さいとうクリニック拡張工事が始まることになった。



新棟の建設と、既存棟の全面改修工事。


新棟完成が今年いっぱい。既存棟の改修完成が今年度いっぱい。

約一年間後に、夢の城が出来上がることになった。




本当は、既存棟を解体して、全く新しい建物を建てた方が効率的だと言われた。

使い勝手も良いし、すっきりする。そして何より、予算が安い...と言われた。



既存棟の建物の耐用年数を調べてもらったら、数十年は耐えられる。と診断された。

よく、元気のいい大木を、ばっさりと切り、その場所に高層マンションなどを建てているような光景を目にする。
木も建物も言葉を発しないが、元気でまだ生きられるものを平気で人間の手で倒すことに、悲しみを覚えることがある。   泣いているようにも感じる。


既存棟は、両親から相続した我が家の魂。

死んでいない魂を解体するなんて、とても考えられなかったので、無理して残すことにした。

そんな事したら天国の父と、母に怒られる。   己惚れるなと、怒られる。



既存棟を残して、新棟をくっつける工事。   歪な形になる。
 

どんな夢の城ができるかわからないけれど、親から譲り受けたものを大きくするぞ。

そして職員みんなで、いっぱい汗かいて、手垢つけて、立派なものにするぞ。


工事開始は再来週。

工事期間中はご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。


さあ始まる。   すべては地域の患者さんのため。そして、地域の患者さんに命を懸けている職員のため。


楽しみで楽しみで仕方ない。