埼玉医大病院に行った

日曜日に、親戚のお見舞いのため、埼玉医大病院に行った。


修行の場である、故郷のような病院だ。
寝ても覚めても磁石のようにこの場所から離れなかった。   離してもらえなかった。

そして、家に帰ることは絶対に許されなかった。



術後のICUの患者さんの横に張り付き、

”シャワーを浴びてきていいですか?”
というと、

”アレスト(心肺停止)があったらどうするんだよ!!”
とチーフに言われ、シャワーすら浴びさせてもらえなかった。



今思うと、完全なブラック医局(笑)。パワハラだよなぁ・・・。


そんな良くも悪くも思い出深い本館7階・外科病棟にお邪魔した。


初めての”一般人”として、”面会者”としての訪問。




居座り続けたナースステーションの入り口から、恐る恐る患者の部屋番号を確認。

すると、その部屋は面会時間外だったらしく、若い看護師さんから、



”今は面会時間ではありません。今回だけは短時間だけ許可しますが、以降は気を付けてください!!”

と、怒られてしまった。   すみません!!  と謝った。




助さん各さんでも、呼ぼうかと思った(笑)。


ひかえ!ひかえ!この紋所が目に入らぬか!こちらにおわすお方をどなたとこころえる。恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ! 助さん御老公の御前である。頭が高い!ひかえおろう!




といっても、当時は自分もただのペイペイ医師だったが...。
そして、今は単なるどこかの医者。面会者。当たり前なのだが、どうしてもアウェーと認識できない…。
不思議な気分だった。


何年経っても、またまた思い出ができた。

面会した親戚はとても元気で安心した。 淺野博先生、ありがとうございました。




埼玉医大病院も変わった。患者さん目線でも職員目線でも、どちらをとっても当時とは比較にならないほど良くなった。
大学の偏差値も上がり、素晴らしい環境になった。

そんな誇れる気分と、怒られた意気消沈の気分で帰宅した、日曜日の夜だった。