切磋琢磨
週末に、特別に仲のいい医者仲間と会った。
みさと中央クリニックの院長、高橋先生。
秩父病院診療総括部長、山田先生。
先生と書いたが、そんな関係ではなく、あだ名で呼び合う仲だ。
今では考えられない過酷な医師研修時代に、一緒に寝泊まりした仲だ。
今だからこそ、医師の”人権”は守られ、当たり前のように”家に帰れる!!”(笑)。
家に帰れないことは当たり前で、如何に病院で寝る時間を確保するか?いつ、どこでこっそり寝るか? を日々考えていたあの時代。
そんな”戦友”と交流会をした。
前述で、如何にも”悲劇の主人公”のような書き方をしたが、実は僕らは素晴らしい経験をさせてもらったと思っている。
他科にはない、外科ならではの”スポ恨”修業。
いわゆる、医師の頭でっかちの知識向上ではない。
医師とは何ぞや?
医師とはどうあるべきか?
医師とは命を削っても患者さんのために尽くすんだ!! のいわゆる”スピリット”の教育だった。
医局の方針であり、自分のクリニックの基本方針である。
1.すべて診る
2.すべての患者さんに、父であり母であり家族だと思って接する
を、達成するには、家に帰っている暇はない。 当たり前だ。 自分の親が手術を受けたら、当然のように24時間付き添う。
医学部っていう、狭い世界で学び社会人になった。何も知らず、メス一本で患者さんの命を救える外科に入局した。
そうやって、社会人一年生、医師一年生である自分たちは、何も知らず上司の背中を見ていたら、医者の世界とはそういう世界、そういう姿勢であることを無理やり学ばされた。
洗脳のようなものだ(笑)。
今だからこそ、世間知らずだったな?? なんて、笑って話せるのだ。
今は、労働組合こそないものの、研修医が自分達のような研修を望んでも、そうはさせてくれないようだ。 幸か不幸か守られるようになった。
当直明けは、手術室に入室禁止... だそうだ。 笑ってしまった。
そういう意味では、自分達は、悲劇の主人公どころか、最高の財産である”誇り高い素晴らしい経験”をさせてもらったと胸を張って言える。
カミングアウトしてしまうが、自分は、第三助手で手術に参加した際は、いつも仮眠をとっていた。
寝ない時は、
”齊藤。お前、今寝ないで、いつ寝るんだ。ICUで仕事できないぞ!!”
といわれた。 これは、さすがに印象が強く、今でも覚えている。
そんな思い出話で、盛り上がり、それぞれがそれぞれ、同じスピリットをもって地域の第一線で頑張っている。
自分も刺激を受けて帰宅した。
くだらない事で一喜一憂させられることも多々ある。
振り回されたくない、相手にしなくていい... と思っても、付き合わなくてはならないこともある。
自分が我慢することで、患者さんのためになることができるならば、限界まで我慢するのだ。目をつぶるのだ。
それが、修業時代に学んだ”患者さんのための医療、根性”なのだ。
そんなことを、改めて確認した再会だった。
自分も武蔵村山の地で、素晴らしい仲間とともに頑張っていこう。