鹿又選手、おつかれさま

昨日は、戦極改め、SRC両国国技館大会があった。体制が変わり、事実上の開幕戦のようなもので、リングドクターもいつも以上に不安な大会だった。
試合内容は自分が語るものではないが、期待していた以上に盛り上がる試合が多く、ファン目線でも大変面白かったと思う。
今回、いちばんインパクトの大きい試合は、PANCRASEのチャンピオンのサンドロ選手と鹿又選手の試合時間わずか9秒の秒殺KO試合だろう。
サンドロ選手の勝ちは圧巻で、彼のキャラクターや今までの自分達に対する対応からも本当に素晴らしいし、すごいとしか言いようがない。ただ、鹿又選手の負けも、本当に格好良かった。これほどまでに格好良い負けを感じたのは、初めてだった。
先日のPANCRASEの試合直後で、わずか2週間前の突然のオファー。体重も10kgほど落とさなくてはならず、どう考えても無謀な決諾。それでも彼は試合を受けて真っ向から戦った。減量や追い込みでボロボロな状態だったが、一か八かの真っ向勝負に行った。”作戦とか細かい事とか考えてられないっす。失うものは何もないっす!”と特攻隊の気分でリングに上がり壮絶に散った。
”後は金原に任せます””早く次の試合がしたいんですよね”と、笑った鹿又君。充実したいい顔だった。

金原選手がいくらチャンピオンでも、後輩を堂々と認める寛大さ。濃密な2週間をやりきった充実感。そして、次への欲望...。どれをとっても素晴らしく、自分にない男らしい彼を見て、一層応援したくなり、自分の間近に居てくれることが本当に嬉しく、一層ファンになった。
それよりも、少しゆっくり休んでくださいね。
そして、今日の診療で全く体に異常が無かったことが確認でき、本当に安心した。
武蔵村山で準備をし、自分の中でも一緒に戦ったが、こんなに充実した9秒間はなかった。改めて、総合格闘技の面白さ、紆余曲折、また応援したくなった。